刑事のまなざし*薬丸岳

  • 2016/06/22(水) 18:39:08

刑事のまなざし
刑事のまなざし
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薬丸 岳
講談社
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笑顔の娘を奪われた男は、刑事の道を選んだ。その視線の先にあるのは過去か未来か――。

●「オムライス」……内縁の夫が焼け死んだ台所の流しの「オムライスの皿」
●「黒い履歴」……クレーンゲームのぬいぐるみ「ももちゃん」
●「ハートレス」……ホームレスに夏目が振舞った手料理「ひっつみ」
●「傷痕」……自傷行為を重ねる女子高生が遭っていた「痴漢被害」
●「プライド」……ボクシングジムでの「スパーリング」真剣勝負
●「休日」……尾行した中学生がコンビニ前でかけた「公衆電話」
●「刑事のまなざし」……夏目の愛娘を十年前に襲った「通り魔事件」
過去と闘う男だから見抜ける真実がある。薬丸岳だからこそ書けるミステリーがある。


法務技官だった夏目は、通り魔に襲われて植物状態になった娘のために刑事になった。これは、東池袋署で捜査に当たった事件の数々である。いずれの事件にも少年が関わっており、ほかの刑事とは違う夏目のアプローチに、少しずつ心を開く様子が胸に迫る。痛みを知る夏目ならではの距離の取り方のように思える。さらに、洞察力の鋭さも見事である。捜査の早い段階から、真犯人に目星をつけ、状況を細かく見極める目は、とても鋭い。娘の事件の真相がわかって、衝撃を受けたに違いないが、刑事という職に徹している姿にも胸が熱くなる。夏目のアプローチをもっと見続けたい一冊である。

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