小説家の姉と*小路幸也

  • 2016/08/26(金) 18:55:10

小説家の姉と
小説家の姉と
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小路 幸也
宝島社
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五歳年上の姉は、学生時代に小説家としてデビューした。それから数年後、一人暮らしをしていた姉から突然、「防犯のために一緒に住んでほしい」と頼まれた大学生の弟・朗人。小説家としての姉を邪魔しないように、注意深く生活する中で、編集者や作家仲間とも交流し、疎遠だった幼なじみとも再び付き合うようになった朗人は、姉との同居の“真意”について考え始める。姉には何か秘密があるのでは―。


いつものことながら、著者の物語には根っからの悪人がひとりも出てこない。それは今作も然りである。そして、主人公の朗人も姉も、沙羅には朗人の彼女の清香も、幼なじみの千葉くんも、それぞれ境遇は違うが、大切に育てられたのだろうと察せられる育ちの良さがにじみ出ている。誰を見ても考え方が健全なので、多少の行き違いがあったとしても、難なく修復できるのである。お互いを自然に思いやれるさまも、見ていて心地好い。お姉さん=美笑さんの書いた小説を読んでみたくなる一冊である。

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