週末は家族*桂望実

  • 2016/09/01(木) 18:37:34

週末は家族
週末は家族
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桂 望実
朝日新聞出版 (2012-01-04)
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シェイクスピアに心酔する小劇団主宰者の大輔と、その連れ合いで他人に愛を感じることができない無性愛者の瑞穂は、母親の育児放棄によって児童養護施設で暮らす演劇少女ひなたの週末里親になって、特殊な人材派遣業に起用することになるが―ワケあり3人が紡ぐ新しい“家族”の物語。


世間に通りやすいようにと便宜的に籍を入れている大輔と瑞穂の夫婦の在りようも、児童養護施設で暮らす11歳のひなたも、週末里親というシステムでかりそめの家族になることも、代理家族派遣業という大輔たちの副業も、すべてが一般的とは言えない要素から成り立つ物語である。それでいて、それぞれの心情や懊悩が見事に描き出されていて、やり切れなくもなる。ひなたを週末だけ預かることにしたそもそもの動機は、ひなたの演技力故だったが、しばらく一緒に過ごすうちに、少しずつ双方の思いに変化が生じ、あたたかいものが通い合うようになる様子にほっとさせられる。みんなが嘘つきで、そしてこれ以上なく正直な一冊である。

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