お隣さんは、名探偵 アーバン歌川の奇妙な日常*蒼井上鷹

  • 2016/09/10(土) 18:31:23

お隣さんは、名探偵  アーバン歌川の奇妙な日常 (角川文庫)
蒼井 上鷹
KADOKAWA/角川書店 (2016-04-23)
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緑豊かな郊外に建つマンション“アーバンハイツ歌川”。住人の静かな日常は、「大家さんのペットを捜しています」とチャイムを鳴らす訪問者により、一変する。事故のため、お笑い芸人の道を諦めた青年、結婚詐欺容疑で妻が失踪中の男、美貌の教育カウンセラー…いつも笑顔のあやさんは、さりげない世間話から、住人たちの意外な“秘密”を見抜いてしまう。ありふれた日常がガラリと変わって見える、痛快な連作ユーモア・ミステリ。


第一話 読み聞かせ  第二話 『KOKORO』の奥に  第三話 最後の晩餐  第四話 舞台を回す  第五話 ドアは知っていた

アーバンハイツ歌川、大家を始め、住人すべてが何らかの事情を抱えて、怪しいことこの上ない。それぞれの思惑が、別の人の事情と絡み合って、余計にややこしくなることもある。マンションの一部を改築してシェアハウスにしようと目論む大家に、住人を立ち退かせる説得を頼まれた小柄なおばあちゃんの平本さん(やはりここの住人である)が、大家の父親が大事にしている蜥蜴を探すという名目で、各部屋を訪ね、それぞれの事情を探るうちに、なにやら別の問題を解決してしまう。しかもその結果、自発的に立ち退くことになるのである。そこに至る過程が、ときには無理やりな感じはするのだが、それさえ自然でお見事である。きょうの平本さんはちょっとキャラが違うけれどどうしちゃったの?と思うと、それもしっかり作戦の内だったりするのである。憎めないおばあちゃんである。しかも立ち退いた住人たちの行方を知れば、あまりにも完璧で、思わず笑ってしまう。平本さんの井戸端会議的探偵術をもっと見たくなる一冊である。

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