スクープの卵*大崎梢

  • 2016/12/03(土) 18:54:37

スクープのたまご
スクープのたまご
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大崎 梢
文藝春秋
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人の家の不幸に群がって、あなたは恥ずかしくないんですか?週刊誌は、空振りやムダの積み重ねで出来ている。手を抜いたら、あっという間に記事の質が堕ちる。未解決の殺人事件にアイドルのスキャンダル写真―ビビリながら、日本の最前線をかけめぐる日向子24歳!


1話 「取材のいろは」  2話「タレコミの精度」  3話「昼も夜も朝も」  4話「あなたに聞きたい」  5話「そっと潜って」  最終話「正義ではなく」

入社二年目の日向子が週刊千石の編集部に配属され、スクープをものにしようと奮闘する連作短編集である。しかも、全編を通して、ひとつの事件を追うことになり、ひと粒で二度おいしいお得感が嬉しい。学生にしか見えない外見が取材時に役立つこともあり、不発だとがっかりした取材先から、後々重要な情報が寄せられることもあり、苦労も多いが報われることもあるのだった。人の家庭に遠慮会釈なく踏み込んで暴き出す週刊誌のえげつなさを嫌っていた日向子も、少しずつその内情を理解し、仕事にやりがいを感じるようになっていく。一見頼りなさそうに見えて、実は上司にも同僚にも期待されている日向子の奮闘ぶりが可愛らしくて、つい応援したくなる。もっともっと日向子の成長を追いかけ続けたい。シリーズ化してほしい一冊である。

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