人生相談*真梨幸子

  • 2016/12/04(日) 21:05:02

人生相談。
人生相談。
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真梨 幸子
講談社
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大洋新聞に連載されている「よろず相談室」には老若男女から様々な相談が寄せられている――。

「居候に悩んでいます」――自分たちの家に居候が住んでいて、あるとき主従が逆転してしまった。このままでは居候たちに追い出されてしまう!
「しつこいお客に困っています」――同僚に生理的に嫌なお客を押しつけられて困っているのだけれど……。
「隣の人がうるさくて、ノイローゼになりそうです」――25年住んでいる賃貸の部屋。今までは何もなかったのに、隣から急に壁をたたかれるようになり、生活もままならなくなってきたのですが……。
「セクハラに時効はありますか?」――14年前、残業後、8歳年下の後輩に思わず抱きつき、そのまま最後まで……。部長への昇進にあたっての、審査で、この点だけ気になっています。
「大金を拾いました。どうしたらいいでしょうか」――家の裏の雑木林で見つけたゴミ袋。その中には札束が! 持ち帰って1年そのままなのですがどうしたらよいのでしょうか。
「西城秀樹が好きでたまりません」――「傷だらけのローラ」は私のことを歌っているんです! 秀樹が呼んでいる! どうしたら秀樹に会えますでしょうか。秀樹に会わせてください!
「口座からお金を勝手に引き出されました」――1500万円ほどの蓄えがあったのですが、どうやら夫が勝手に引き出したようです。これって窃盗にあたりますか?
「占いは当たりますか?」――来年、結婚する予定です。祖父母が心酔している占い師に、この結婚は不吉だと言われたと告げられて。そのうち、私も不安になってきたのですが。

一見、なんの連関性もない人生相談の数々。
ところがこの相談の裏には衝撃の事件が隠されていた!


新聞の人生相談コーナーに載った相談事がまずあり、その後に物語が始まるのだが、どれもがその相談事と似通っている。しかも、物語の後に配されている回答編を読むと、その皮肉さに気づくのである。そんな趣向なのだと思って読み進んだのだが、またしばらく読むと、あちらこちらで繋がっていることに気づかされる。こんがらがった毛糸がもつれて解けなくなったようである。しかも毛羽立ったところがまたもつれ合って、さらなる混沌に迷い込む心地である。いろんなところがいろんなところと繋がり、影響を与え、因果関係を持ち、ぐるぐる回っているようでもある。ただ、要素が多くて、さらっと読んだだけでは印象に残らない登場人物もいて、それがいささかストレスにならないこともない。それさえなければ、次はどことどこが繋がるのだろうという興味もあり、惹きこまれる一冊ではある。

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