幸せのプチ 町の名は琥珀*朱川湊人

  • 2016/12/23(金) 09:28:42

幸せのプチ ――町の名は琥珀
朱川 湊人
日本経済新聞出版社
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都電が走る、この下町には、白い野良犬の“妖精"がいる。
「きっとプチは、あの町で今も生きていて、たくさんの人たちを、小さくだけれど幸せにしているはずだ」
その町に生き、通り過ぎた人たちの心あたたまる物語。
銭湯の煙突が目立つ迷路のような路地は生活感が溢れ、地味なくせに騒々しい。口が悪くて、おせっかいな人たちが暮らす町に、ちょっぴり不思議で、ささやかな奇跡が起きる時……

直木賞作家・朱川湊人さんの25万部を超えたベストセラー『かたみ歌』。東京・下町の商店街を舞台にしたノスタルジックでちょっと不思議なことが起こる連作はシリーズとなり、当時は最先端だった団地に舞台を移し(『なごり歌』)、今作もそのラインに連なるといってもいい。

高度成長期の昭和から平成までの都電が走る町を舞台に紡がれる「追憶のカスタネット通り」「幸せのプチ」「タマゴ小町とコロッケ・ジェーン」「オリオン座の怪人」「酔所独来夜話」「夜に旅立つ」の6つの物語。1970&80年代の思い出とともに、あなたを追憶の彼方へ誘います。
恋、友情、大切な人を喪った哀しみ、家族の絆……ラジオの深夜放送、昔ながらの喫茶店、赤い公衆電話、揚げたてのコロッケ……
「きっと生きている限り忘れない。あの町の名は琥珀」


都電の走る、琥珀という名前の町で起こる日常のあれこれと、そこに暮らす人々のなんと言うことのない日々の暮らしの物語である。どこにでもありそうな出来事の向こう側にある人々の気持ちや、後々につながることごとの欠片が、ひとつずつ少しずつ積もり積もって町はできていて、そこに暮らす人々の心までも形作っているのだと、なにやらほっと懐かしい心地になれる一冊である。

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