まひるまの星--紅雲町珈琲屋こよみ*吉永南央

  • 2017/04/01(土) 16:58:49

まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ
吉永 南央
文藝春秋
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コーヒーと和食器の店「小蔵屋」の敷地に、山車蔵を移転する話が持ち上がった。祭りの音が響く真夏の紅雲町で、草は町全体に関わるある重大な事実に気づく―日常の奥に覗く闇にドキリとする、シリーズ第5弾。


今回は、お草さんにとって、苦い思いも多い物語になった。母と鰻屋の清子との確執が自分の代にも影響を及ぼし、断絶したままなのをどうにかしたいと思いながら、断絶の理由も聞けぬままできょうまで来てしまっていた。そんなところに、小蔵屋の敷地に山車蔵を移転する話が持ち上がり、自らの引退時期など諸々の事々を鑑みて、小蔵や以外の移転先と目星をつけたのが、清子の鰻屋の前の工場跡地であり、そこから話がややこしくなっていく。鰻屋の息子の滋と嫁の丁子や娘の瞳との関係や、草の亡き母への思いなども絡めて、心にかかることの多いこのごろになっている。小蔵屋に流れるゆったりとした時間の心地好さと、お草さんの優等生過ぎないキャラクタが好ましい。身体を大切にして、いつまでも小蔵屋を続けてほしいと願うシリーズである。

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