希望荘*宮部みゆき

  • 2017/04/23(日) 18:30:21

希望荘
希望荘
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宮部 みゆき
小学館
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宮部ファン待望の14か月ぶりの現代ミステリー。特に人気の「杉村三郎シリーズ」の第4弾です。
本作品は、前作『ペテロの葬列』で、妻の不倫が原因で離婚をし、義父が経営する今多コンツェルンの仕事をも失った杉村三郎の「その後」を描きます。
失意の杉村は私立探偵としていく決意をし、探偵事務所を開業。ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。依頼人の相沢幸司によれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで30年の空白があった。果たして、武藤は人殺しだったのか。35年前の殺人事件の関係者を調べていくと、昨年に起きた女性殺人事件を解決するカギが……!?(表題作「希望荘」)
表題作の他に、「聖域」「砂男」「二重身(ドッペルゲンガー)」の4編を収録。


事件を引き寄せる体質の杉村三郎のその後の物語である。私立探偵になるまでの経緯よくわかる。それにしても、不運な事件を引き寄せる体質は相変わらずで、これはもう一生治りそうもない感じだが、故郷で周りの人たちに助けられながら、少しずつ地域の暮らしに溶け込み始めた杉村は、それはそれで平穏にやっていけそうでもあったのに、やはりそうはいかない運命なのだろう。杉村の解決の仕方はいつもどの事件でも相手を思いやる気持ちにあふれていて、それを一身に引き受けてしまいそうなのも心配ではある。娘の桃子ちゃんとはいい関係を築けているが、これからもそうであってほしいと願ってしまう。これからはいよいよ本格的に私立探偵杉村三郎の物語が展開されるのだろうか。ますます愉しみなシリーズである。

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