テロリストの処方*久坂部羊

  • 2017/05/05(金) 16:40:46

テロリストの処方
テロリストの処方
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久坂部 羊
集英社
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医療格差が広がる日本で、勝ち組医師を狙った連続テロが発生!
迫りくる日本の医療危機を予見する、戦慄の医療ミステリー。

医療費の高騰で病院に行けなくなる人が急増した日本。医療勝ち組と負け組に患者が二分され、同じく医師も、高額な医療で破格の収入を得る勝ち組と、経営難に陥る負け組とに二極化。そんな中、勝ち組医師を狙ったテロが連続して発生する。現場には「豚ニ死ヲ」の言葉が残されていた。若くして全日本医師機構の総裁となった狩野のもとにも、脅迫状が届く。医事評論家の浜川は、狩野に依頼され、テロへの関与が疑われる医師・塙の行方を探すことに。三人は医大時代の同級生だったのだが――。


遠くない未来の日本の医療現場の実態が生々しく描かれていて興味深い。医師の勝ち組負け組だけでなく、一般国民も贅沢で高度な医療を受けられる勝ち組と、最低限の処置さえ拒否されることもある負け組に分かれ、命をめぐる現場は混沌としている。癌や認知症の治療や健診の是非にも触れ、考えさせられることがありすぎて恐ろしくもなる。医療に携わる人たちにとっても一般の患者にとっても、もちろん制度を作る政治家にとっても問題を多く孕む一冊である。

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