失われた地図*恩田陸

  • 2017/05/07(日) 16:23:34

失われた地図
失われた地図
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恩田 陸
KADOKAWA (2017-02-10)
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川崎、上野、大阪、呉、六本木…日本各地の旧軍都に発生する「裂け目」。かつてそこに生きた人々の記憶が形を成し、現代に蘇える。記憶の化身たちと戦う、“力”を携えた美しき男女、遼平と鮎観。運命の歯車は、同族の彼らが息子を授かったことから狂い始め―。新時代の到来は、闇か、光か。


実を言うと、個人的には恩田作品のこちらの流れはいささか苦手である。読み始めて間もなくは、ページを閉じようかとも思ったが、もうしばらく、と読み進めていくうちに、次第に惹きこまれてしまった。普通に暮らしている人々には、そのすぐ脇で鮎観(あゆみ)や遼平のような力を持った一族のものたちが過去の禍々しい記憶の産物と苛烈な闘いを繰り広げ、しかも一族ならではの悩みに苦しんでいるなどとは思いもよらず、対比して考えると切なくもなる。ラストの遼平と鮎観のひとり息子・俊平の姿を見ると、続編がありそうな気がするが、それが凶と出るのか吉と出るのかは予測がつかない。彼らに心休まる日々を、とつい願ってしまう一冊でもある。

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