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ヘルたん ヘルパー探偵とマドンナの帰還*愛川晶

  • 2018/02/27(火) 18:47:30

ヘルたん - ヘルパー探偵とマドンナの帰還
愛川 晶
中央公論新社
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介護現場のエピソードと本格ミステリのトリックがハイブリッドに融合。本格ミステリの名手が描く介護ミステリ『ヘルたん』の第2弾。 20歳の神原淳は、浅草に住む成瀬老人の自宅で居候しながら、介護ヘルパーの修行をしている。この成瀬老人、じつは伝説と言われたほどの名探偵。その鮮やかなひらめきはいまも健在だが、アルツハイマーが進行し、ときおり記憶がとんでしまう。それでも噂を聞いて集まってくる相談を淳がかわりに引き受け、成瀬の助けを借りながら探偵業に挑戦する。1巻のラストで失踪した、淳のマドンナ・葉月も戻ってくるが、そこで葉月と浅草をつなぐ驚きの事実が明らかに……。ますます目が離せないシリーズ第2弾。


前作のラストで明らかになった両親にまつわることごとを済ませて、再び成瀬の離れに帰ってきた淳である。ヘルパーの仕事も再開させ、少しずつ板についてきて、仕事も順調に増えてきた。だが、葉月先輩の行方は相変わらずわからず、未来さんの知り合いから持ち込まれた謎は、なかなか成瀬に伝える機会を持てないまま、次から次へと厄介ごとに巻き込まれていく。しかもそれが、ことごとくどこかしらで繋がり、さらなる厄介ごとに発展して行ったりもするので、悩ましくもある。成瀬のアルツハイマーの症状も、じりじりと進行しているようだが、いまのところ誰ひとりそのことに気づいてはいない。この先どうなるのか、大いに気になるところである。偶然なのか、周りの思い込みによるところが大きいのか、結果的に謎解きのヒントを与えることになっているのも皮肉ではある。今回も、大きな謎が明らかになったが、さらなる問題も現れたわけで、次が気になって仕方がないシリーズである。

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