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ノーマンズランド*誉田哲也

  • 2018/04/14(土) 07:48:05

ノーマンズランド
ノーマンズランド
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誉田哲也
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またしても同僚の殉職を経験し、心身に疲弊の残る姫川玲子が入ったのは、葛飾署管内で起こった若い女性の殺人事件捜査本部。しかし、事件の背後にはもっと大きな事件が蠢いている気配があった……。あらゆる伝手を辿り、玲子が摑んだ手がかりとは!?


冒頭では、過去の女子高生失踪事件に至るまでの日々と、現在の警察の様子が並行して描かれる。どうつながっていくのか興味を惹かれつつ読み進めると、とんでもない事実が浮かび上がってくる。しかも、別件の捜査に行き詰まり、裏にはなにやら胡乱な動きがあるようなのだ。現在の事件の捜査が、過去の事件とつながり、点が少しずつ線になり、全体像が現れると思いきや、手の届かないところへ行ってしまう。姫川玲子の動向や、元姫川班の面々との関わりにも興味を惹かれる。その暴走ぶりや、男社会では「これだから女は……」と言われかねない不安定さや弱さがそのまま描かれているのも、姫川の魅力のひとつだろう。日下との関係が、これまでにない展開になったのも、今後の愉しみのひとつかもしれない。凄惨な場面は正直言って得意ではないが、このシリーズは読み続けたいと思わせる一冊である。

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