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悪徳の輪舞曲*中山七里

  • 2018/04/27(金) 09:36:10

悪徳の輪舞曲
悪徳の輪舞曲
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中山 七里
講談社
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14歳で殺人を犯した悪辣弁護士・御子柴礼司を妹・梓が30年ぶりに訪れ、母・郁美の弁護を依頼する。郁美は、再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたという。接見した御子柴に対し、郁美は容疑を否認。名を変え、過去を捨てた御子柴は、肉親とどう向き合うのか、そして母も殺人者なのか?


御子柴礼二シリーズ四作目である。依頼に訪れたのは、なんと三十年ぶりに会う実の妹・梓だった。再婚した夫殺しの容疑で拘留されている母の弁護の依頼だった。かつて「死体配達人」と呼ばれた御子柴が、実の家族の弁護を通して、人間らしい心を取り戻すかどうかが大きな見どころである。すっかり家族とは決別し、一片の迷いもないと考えていた御子柴自身が、時に受ける衝撃と動揺、それに続く葛藤と戸惑い、さらには自制と抑圧の感情に読者も飲み込まれていく。家族に対する愛情を取り戻したかと問われれば、即座に否と言えるが、全くの他人の場合と寸分の違いもなかったかと言われれば、それもまた否であろう。揺れる部分が残っていることに、ほっとするところもあり、ここまで来たら悪辣を貫いてほしいという勝手な希望もあり、こちらの心も揺れるのである。これからの御子柴礼二がますます愉しみになる一冊である。

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