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ふたりみち*山本幸久

  • 2018/05/02(水) 16:32:53

ふたりみち
ふたりみち
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山本 幸久
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函館から津軽海峡をフェリーで渡る67歳の野原ゆかりは、元ムード歌謡の歌手。借金返済のため、営業の旅に復帰したのだ。その船内で知り合った12歳の家出少女森川縁が、なぜかゆかりの後をついて来る。旅先で起きるトラブルや55歳の歳の差を乗り越えて、いつしかふたりは固い絆で結ばれていく。そしてたどり着いた最後の会場、東京。そこにはゆかりの悲しい過去が刻まれていた…。


67歳と12歳、ゆかりと縁(ゆかり)の「ふたりみち」の物語である。それぞれに事情を抱えた利の差55歳の二人は、津軽海峡を渡るフェリーで出会い、なぜか一緒に旅をすることになる。歌を、音楽を通して、二人のなかにある何かが響きあったのかもしれない。行く先々でトラブルに見舞われ、ろくに歌うこともできずにいるミラクル・ローズ(=ゆかり)だったが、縁がいつも支えになってくれている。12歳らしい幼さと、12歳とは思えない逞しさを持ち合わせた縁がいたからこその、ゆかりの旅なのである。ゆかりにとっては、人生の来し方を振り返る旅にもなっており、縁にとっては、人生の行方を探す旅でもあるのだろう。切なさ、ほほえましさ、人情のあたたかさ、一筋縄ではいかないやりきれなさなど、さまざまな感情を呼び起こされる一冊でもある。

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