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高座のホームズ 昭和稲荷町らくご探偵*愛川晶

  • 2018/05/07(月) 16:30:41

高座のホームズ - 昭和稲荷町らくご探偵 (中公文庫)
愛川 晶
中央公論新社 (2018-03-23)
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テレビやラジオで落語が親しまれ、大看板と呼ばれた一流の噺家たちが芸を競った昭和五十年代。その一人、八代目林家正蔵(のちの彦六)の住む稲荷町の長屋には、傷害事件から恋愛沙汰まで、さまざまな謎が持ち込まれ―。なつかしいあの頃の落語界を舞台に、探偵・正蔵が快刀乱麻を断つ!洒脱な落語ミステリー。


これまでのシリーズのひと時代前の物語である。本作の高座のホームズは、八代目林家正蔵師匠で、安楽椅子探偵よろしく、持ち込まれる厄介話を聞いただけで、たちどころに絡み合った糸をほぐしてしまう。そんな名探偵が、次の時代にもちゃんと受け継がれているのが、これまでのシリーズなのだから、妙に納得してしまう。しかも今作では名探偵は実在の噺家なので、興味はさらに募るというものである。ただ、現代なら顰蹙を買うこと間違いないエピソードが盛り込まれており、しかも話の核心的な部分でもあるので、時代が違うとはいえ、いささか気になったことも確かではある。時代を語るには仕方ないと言え、拒否反応をする読者もいるかもしれないという気はする。そこを乗り越えれば、至極面白い一冊だった。

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