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逢魔が時に会いましょう*荻原浩

  • 2018/08/12(日) 08:39:13

逢魔が時に会いましょう (集英社文庫)
荻原 浩
集英社 (2018-04-20)
売り上げランキング: 12,778

大学4年生の高橋真矢は、映画研究会在籍の実力を買われ、アルバイトで民俗学者・布目准教授の助手となった。布目の現地調査に同行して遠野へ。“座敷わらし”を撮影するため、子どもが8人いる家庭を訪問。スイカを食べる子どもを数えると、ひとり多い!?座敷わらし、河童、天狗と日本人の心に棲むあやしいものの正体を求めての珍道中。笑いと涙のなかに郷愁を誘うもののけ物語。オリジナル文庫。


「座敷わらしの右手」 「河童沼の水底から」 「天狗の」来た道」 メーキング

妖怪、民俗学のフィールドワーク、変人の若き准教授、やりたいことはあるのだが進路に悩む女子学生。これらの要素が、なぜかタイミングよくかみ合ってしまい、布目、真矢コンビが誕生したのである。読者にとっては喜ばしいことだが、初めのうち、真矢には納得がいかないことが多々あったようでもある。布目准教授はといえば、研究者としては別としても、男性としては、まだいまひとつつかみどころがなく、このコンビのこれからは、そうすんなりとはいきそうにない気はするのである。真矢がどうやら引き寄せ体質ということもあり、フィールドワークに行った先々で、頻繁にこの世ならぬ者たちかもしれない者たちに出会ってしまうのだが、それを確実に実感していないところがまた面白みを増しているところかもしれない。ぜひシリーズ化していただいて、今後の二人を見守りたいと思わされる一冊だった。

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