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福家警部補の考察*大倉崇裕

  • 2018/08/24(金) 18:29:30

福家警部補の考察 (創元クライム・クラブ)
大倉 崇裕
東京創元社
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地位と愛情を天秤にかける医師の誤算(「是枝哲の敗北」)、夫の企みを察知し機先を制する料理好きな妻(「上品な魔女」)、身を挺して師匠の名誉を守ろうとするバーテンダー(「安息の場所」)、数年越しの計画で恋人の仇を討つ証券マン(「東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き」)――犯行に至るさまざまな事情と慮外の齟齬。透徹した眼力で犯人の思惑を見抜くシリーズ最新刊。


ドラマを観たときには、福家警部補は檀れいさんじゃないよなぁ、と思っていたのだが、映像の強さなのだろうか、ずっと檀れいさんに引きずられて読んでしまった。実際の(会ったことはないが)福家警部補は、もっと見た目は地味でキャラの立たない人だと思っているので、そんな彼女にぴったりと張り付かれると、心に疚しいところのある人にとっては、なんとも座りの悪い感じなのではないだろうか。今回も、事件発覚直後から、並々ならぬ観察眼と洞察力によって、真犯人に目星をつけ、すっと近寄ってピタッと張り付いている。その後のやり取りも、隙だらけな風でありながら、一分の隙なく論理的に追い詰めていくのが見事である。犯人は、彼女の姿を見た時点で自白したほうがいいと思うが、それでは読者が詰まらないので、これからも最後までじたばたしてほしいものである。次も愉しみなシリーズである。

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