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猫と忍者と太閤さん 鍋奉行犯科帳*田中啓文

  • 2018/09/21(金) 16:51:36

猫と忍者と太閤さん (集英社文庫)
田中 啓文
集英社 (2016-05-20)
売り上げランキング: 87,684

大坂市中を見廻っていた同心村越勇太郎が謎の集団に襲われた。肩には手裏剣による傷が―天下泰平の世に忍者が暗躍している!?同じ頃、町奉行所の料理方募集に応募してきたのは怪しげな男たちばかり。そのうちのひとりが作った料理は、美食家の町奉行大邉久右衛門ですら初めて味わうものだった(「忍び飯」)。他に公家一家から猫を盗もうとする一味との戦いなど、全3編収録のシリーズ第7弾。


第一話「忍び飯」  第二話「太閤さんと鍋奉行」  第三話「猫をかぶった久右衛門」

またまたよく飲みよく食べる久右衛門殿である。そして、同心・村越勇太郎のもとには、厄介事が集まってくる。それだけ人物も腕も認められるようになってきたということだろうが、かなりの無理難題に頭を悩ませることになる。ただ、忍びの手裏剣を受けて、痛手も負ったが、今回も、依頼者や周りの人たち、そして子どもたちをも巻き込んで、ちゃんと解決してしまうのだから大したものである。それにはもちろん、飲み食いしているばかりに見えるお奉行の、鋭いのか行き当たりばったりなのかわからない推理と、人のためを思ってなのか単なるわがままなのか判断できかねる対応の的確さがなければこうはならないわけなのである。トラをかわいがる姿は、掛値なくかわいく見えてしまうので、無茶も許せてしまうのである。次は何をやらかしてくれるのか愉しみなシリーズである。

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