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脅迫者 警視庁追跡捜査係*堂場瞬一 

  • 2018/10/12(金) 18:50:02

脅迫者 警視庁追跡捜査係 (ハルキ文庫)
堂場瞬一
角川春樹事務所
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新人刑事時代のある捜査に違和感を抱いていた追跡捜査係の沖田は、二十年ぶりの再捜査を決意。自殺と処理された案件は、実は殺人だったのではないか―内部による事件の隠蔽を疑う沖田を、同係の西川はあり得ないと突っぱねるが、当時事件に携わった刑事たちへの事情聴取により、疑惑はさらに高まる。そんな折、沖田は何者かに尾行されていることに気づくが…。シリーズ史上最も厄介な敵を相手に、熱き男たちの正義感が爆発する!書き下ろし警察小説。


二十年前の自殺事件のとき、新人だった自分だけが蚊帳の外に置かれ、何ひとつ教えてもらえなかったことに違和感を抱き続けていた沖田は、追跡捜査係の仕事の一環として再捜査を始めた。自殺ということで、なんの捜査もせず、記録さえろくに残されていなかった事件の真相は、もしかすると殺人だったのではないかと当たりをつけはしたが、再捜査はなかなか進まない。そんな折、沖田が何者かに尾行されていることに気づく。そこから、闇はどんどん深くなり、思っていたほど単純な構図ではないことが次々に明らかになっていく。はたして、沖田たちはとんでもない一件を引きずり出しそうになっていたのだった。それぞれの立場や思惑、上下関係や、さらにそれを上回る圧力。個人にできることはどこまでなのか、興味を惹きつけられる。捜査する側の個人的な事情も絡めながら進んでいくストーリーは緊迫感と切迫感があって、息がつけない。巨大組織の中で動くことの難しさや、正義を貫くことの意味までをも考えさせられる一冊だった。

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