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ドッペルゲンガーの銃*倉知淳

  • 2018/12/25(火) 19:22:08

ドッペルゲンガーの銃
倉知 淳
文藝春秋
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女子高生ミステリ作家(の卵)灯里は、小説のネタを探すため、
警視監である父と、キャリア刑事である兄の威光を使って事件現場に潜入する。
彼女が遭遇した奇妙奇天烈な三つの事件とは――?

・密閉空間に忽然と出現した他殺死体について「文豪の蔵」

・二つの地点で同時に事件を起こす分身した殺人者について「ドッペルゲンガ-の銃」

・痕跡を一切残さずに空中飛翔した犯人について「翼の生えた殺意」

手練れのミステリ作家、倉知淳の技が冴えわたる!
あなたにはこの謎が解けるか?


謎解きよりも何よりも、まず設定に目を惹かれる。警視監の息子で警部補だが、陽だまりのタンポポのようにのほほんとしている大介と、高校生ながらミステリ作家の卵の灯里(あかり)のコンビが、不可解で不思議で謎に満ちた事件現場に赴き、関係者から事情を聴いて謎解きをするのである。だがそれだけではなく、実際謎解きをするのは、また別の人物(?)であり、あまりにも無理やり感満載であるにもかかわらず、なんかあるかも、と思わせてしまうのが著者のキャラクタづくりの妙なのかもしれない。ともかく、不可思議な事件の謎は解かれ、警視庁での大介の株は上がるのだから、文句はない。愉しく読める一冊である。

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