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ギリギリ*原田ひ香

  • 2019/01/03(木) 19:18:10

ギリギリ
ギリギリ
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原田 ひ香
KADOKAWA/角川書店 (2015-09-30)
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女性管理職として仕事に没頭する瞳。前夫の一郎太が過労死した寂しさをまぎらわすかのように、同窓会で再会した脚本家の卵の健児と再婚した。瞳と健児のもとには、一郎太の母親や不倫相手から細々と連絡があり、相談に乗ったり、一郎太の不在を嘆いたりしている。ある日、瞳はゴミ箱のなかから健児が書いた脚本の草稿を見つけ、自分が選んだ道に疑問を感じるようになるが…。


瞳の心情と健児の心情が交互に語られる。大切な人を亡くしたり、脚本家としてなかなか芽が出ない不甲斐なさを抱えていたり、お互いに頼りあってはいるが遠慮もある瞳と健児である。そこに、亡くなった前夫・一太郎の母の静江さんの存在や、一太郎の不倫相手だったという冴子さんの存在が入り込んできて、さらに素直なだけではいられなくなるのだった。何となく流れで再婚してしまったが、どことなく危うい地盤の上に立っているような不安定さが始終つきまとっていて、読む者にもどかしさを感じさせる。互いに必要としているのに素直になり切れず、かといって、はっきり問いただすこともできずに抱え込んだものは、日々積もり積もってはけ口をなくすのである。二人が前に進むには、こうするしかなかったのだろうか。切なさの残る解決でもある。とはいえ、思わず苦笑してしまうこともあったりして、軽快に読める一冊ではある。

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