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本と鍵の季節*米澤穂信

  • 2019/03/03(日) 16:38:59

本と鍵の季節 (単行本)
米澤 穂信
集英社
売り上げランキング: 2,672

堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。
そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。

放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!


「913」 「ロックオンロッカー」 「金曜に彼は何をしたのか」 「ない本」 「昔話を聞かせておくれよ」 「友よ知るなかれ」

高校生の図書委員男子二人が探偵コンビとなって、図書室に持ち込まれる謎を解き明かしていく物語である。どれもいささかほろ苦く、完全なるめでたしめでたしというわけではないのだが、その余韻が好ましくもある。探偵コンビにいまはまだある溝のようなものの正体が何なのか、そして、それが埋まる日が来るのか。次作が愉しみな一冊になった。

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