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平成ストライク

  • 2019/05/26(日) 20:15:26

平成ストライク
平成ストライク
posted with amazlet at 19.05.26
青崎有吾 天祢涼 乾くるみ 井上夢人 小森健太朗 白井智之 千澤のり子 貫井徳郎 遊井かなめ
(株)南雲堂 (2019-04-23)
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激動の昭和が終わり、バブル経済の熱冷め止まぬうちに始まった平成。
福知山線脱線事故、炎上、児童虐待、渋谷系、差別問題、新宗教、消費税、ネット冤罪、東日本大震災――平成の時代に起こった様々な事件・事象を、九人のミステリー作家が各々のテーマで紡ぐトリビュート小説集。

「平成」という言葉を聞いて 感傷的になっちゃってる自分を照れくさく感じるような人たちへ。
「加速してゆく」青崎有吾
「炎上屋尊徳」井上夢人
「半分オトナ」千澤のり子
「bye bye blackbird...」遊井かなめ
「白黒館の殺人」小森健太朗
「ラビットボールの切断」白井智之
「消費税狂騒曲」乾くるみ
「他人の不幸は密の味」貫井徳郎
「From The New World」天祢涼



まったく好みではないものもあったが、平成という時代を振り返り、その長さと変化の激しさを改めて感じられる物語たちである。現在とは、小説に登場する小道具が違い、言葉遣いが違い、生活の周囲の空気感が違う。「平成」とひとくくりにしてしまうと、橋のない水路を飛び越して、新しい時代である現在(いま)に立っているような心地になる。だが、昭和から平成、そして令和、すべてが地続きなのだと、ふと気づいたりもする。時代の空気ってどうやって作られるのだろう、などと考えたくなる一冊である。

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