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あきない世傳金と銀 六*高田郁

  • 2019/09/02(月) 19:11:32

あきない世傳 金と銀(六) 本流篇 (時代小説文庫)
髙田郁
角川春樹事務所 (2019-02-14)
売り上げランキング: 2,254

大坂天満の呉服商「五鈴屋」は、天災や大不況など度重なる危機を乗り越え、
江戸進出に向けて慎重に準備を進めていた。
その最中、六代目店主の智蔵が病に倒れてしまう。
女房の幸は、智蔵との約束を果たすべく立ち上がった。
「女名前禁止」の掟のもと、幸は如何にして五鈴屋の暖簾を守り抜くのか。
果たして、商習慣もひとの気質もまるで違う江戸で「買うての幸い、売っての幸せ」を根付かせたい、
との願いは叶えられるのか。新たな展開とともに商いの本流に迫る、大人気シリーズ待望の第六弾!


今回もまたまた試練の連続である。幸に安寧が訪れることはないのだろうか。とはいえ、壁が高ければ高いほど、五鈴屋や、その関係者たちの結束が固くなり、ひょんなところからアイディアが湧きだすのはいつものこと。このところは、それがより効率的になってきたようにも思われる。店内の誰もが、幸をご寮さんとして認め、敬っている証だろう。本作では、夫で六代目の智蔵が急な病に倒れて儚くなり、幸が女名前で中継ぎとしての七代目を継ぎ、江戸店を開店させるところまでの物語であり、前途洋々、華やかな雰囲気でラストを迎えたが、江戸でもそう順風満帆にはいかないことだろう。どんな試練が待っているのか、次も愉しみなシリーズである。

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