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いつかの岸辺に跳ねていく*加納朋子

  • 2019/10/24(木) 07:21:14

いつかの岸辺に跳ねていく
加納 朋子
幻冬舎 (2019-06-26)
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あの頃のわたしに伝えたい。明日を、未来をあきらめないでくれて、ありがとう。生きることに不器用な徹子と、彼女の幼なじみ・護。二人の物語が重なったとき、温かな真実が明らかになる。


前半の「フラット」では護の目線で、後半の「」レリーフ」では徹子の目線で語られている。護目線の物語は、ちょっと変わった幼馴染の徹子を、つかず離れず見守り続ける護が見たものが描かれていて、ごく普通の青春物語といった趣である。だが、徹子の語りに入ると間もなく、それまで見てきたものごとの本質がみるみる立ち現われ、腑に落ちるとともに、徹子の健気さに切なくもなる。徹子の人生に思いをいたす時、徹子の健気さに切なくなり、知らずに涙があふれてくる。だが、ラストでその涙は、あたたかいものに変わるのである。徹子がまいた種は、さまざまな場所で実をつけていると確信できる。切ないが、愛情深い一冊だった。

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