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死にゆく者の祈り*中山七里

  • 2019/11/30(土) 19:11:32



囚人に仏道を説く教誨師の顕真。ある日、拘置所で一人の死刑囚が目に留まる。それは、大学時代に顕真を雪山の遭難事故から救った、無二の親友・関根だった。人格者として知られていた友は、なぜ見ず知らずのカップルを殺めたのか。裁判記録に浮かび上がる不可解な証言をもとに、担当刑事と遺族に聞き込みをはじめた顕真。一方、友として、教誨師として、自分にできることとは何か。答えの見出せぬまま、再び関根と対峙することとなる。想像を絶する、事件の真相とは。そして、死刑執行直前、顕真が下した決断は―。人間の「業」を徹底的に描く、渾身のミステリ長編!


重い題材の物語である。と同時に、熱い思いの物語でもある。教誨師として、僧侶として、友人として、そして一人の人間として、顕真の衝動と行動は、時として規範を外れてはいても、人の道は踏み外していないと思う。かつて命を助けられた友人の、まさに命の瀬戸際で、その真実を明らかにできたことは、奇跡と言っても言い過ぎではないが、さまざまなめぐりあわせと、顕真の熱意によって成し得たことであるのは間違いない。いろいろ考えさせられる一冊だった。

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