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虹のような黒*連城三紀彦

  • 2020/01/04(土) 13:06:15


誰もが彼女を狙っている――。
大学祭の当日、英文学ゼミの教室で発生した凌辱事件。ばらまかれる怪文書、謎の猥褻画、五転六転する議論の応酬。いったい、あの「密室」で何が起こったのか?
連城三紀彦“最後の未刊長篇”を初書籍化。さらに、連載時(「週刊大衆」2002~2003年。全36回)に著者が毎回描き下ろした自筆挿画(全72点)を完全収録。本文と連動した挿画にによる著者ならではの企みに満ちた「仕掛け」にも注目いただきたい、ファン必携の愛蔵本。


実際にあったことは何なのか、関わった人々それぞれが胸に持つ思いによって、それぞれの脳裏に描かれた物語と、実際にだれが何のために何をしたか、という歴然とした事実が入り乱れ、読むものを混乱させる。突き詰めてしまえば、ただひと組の夫婦の愛の在り方のすれ違いから端を発したと言ってもいいのかもしれない。初めのうち、その描写にへきえきとする部分もあったが、次第に、真実を知りたい気持ちが高まり、それを知ったのちもなお、理解しがたい何ものかに胸の中をかき回されている心地である。気楽に読める一冊ではない。

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