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オカシナ記念病院*久坂部羊

  • 2020/02/02(日) 18:41:15


離島の医療を学ぼうと、意気込んで「岡品記念病院」にやってきた研修医の新実一良。ところが先輩医師や看護師たちはどこかやる気がなく、薬の処方は患者の言いなり、患者が求めなければ重症でも治療を施そうともしない。反発心を抱いた一良は在宅医療やがん検診、認知症外来など積極的な医療を取り入れようとするが、さまざまな問題が浮き彫りになっていき―。現代の医療の問題点を通して、生とは何か、死とは何かを問いかける。著者渾身の医療エンターテインメント。


エンターテインメントとして書かなければ、さまざまな軋轢を生むだろう問題が凝縮されている。文句なく面白いのだが、その裏には、現代医療の抱える問題がうずたかく積み上げられているのだということを、改めて突き付けられる思いである。気づいていながら気づかないふりをして、医者の言うなりに検査を受け、薬を飲んでいるいまの状況を、患者側の意識改革だけで何とかするのは至難の業だろうが、少しでも立ち止まって自分の頭で考えたいと、切実に思わされる。医療関係者すべてに読んでほしい一冊でもある。

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