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わが殿 上*畠中恵

  • 2020/02/27(木) 16:22:01


合戦が始まる。敵の名は、借金。
幕末期、ほとんどの藩が財政赤字に喘ぐ中、大野藩も例外ではなかった。
藩主・土井利忠は、様々な藩政改革を断行し、多額の借金を抱える藩財政を立て直そうとする。その執行役として白羽の矢が立てられたのが、若干八十石の内山家の長男である七郎右衛門良休。
四歳年下の殿の人柄と才覚に惚れきった七郎右衛門は、己の生涯を懸けて利忠と向き合い、時には反発しながらも、大野藩の再生に奔走する。

『しゃばけ』『まんまこと』の著者が初めて実在の人物をモチーフに描いた、痛快新感覚歴史小説!


八十石の内山家の長男・七郎右衛門は、どういうわけか、四歳年下の殿・利忠公に見込まれたようで、藩の借金対策に取り立てられる。ほかの人が考えつかないような奇策をもって、事をひとつ解決すると、さらに追い打ちをかけるような出来事が起こり、またまたとんでもない役目を言いつかるのである。周りには嫌味を言われ、敵視されたりもして、休む間もない七郎右衛門だが、どういうわけか、いつも何とか事を成し、さらに苦労を呼び込むことになる。利忠公の人を見る目の確かさも興味深く、七郎右衛門の苦労がいつか報われることを願いながら応援してしまう。下巻を読むのが愉しみな一冊である。

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