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涼子点景 1964*森谷明子

  • 2020/03/21(土) 16:12:21


「父は、姿を消したのよ。私が九歳の夏に。それ以上のことを言わない、誰にも」。

1964年オリンピック決定に沸く東京で、競技場近くに住む一人の男が失踪した。
娘は自分の居場所と夢を守るため、偶然と幸運と犠牲を味方につけ生き抜いてゆくことを誓う。
時代の空気感を濃密に取り込みながら描いた蠱惑の長編ミステリー!


不意に届いた小学校の同窓会通知を志学女子学園の理事長室で見ている涼子。そこから、60年前に時間は巻き戻されていく。抱えてしまった秘密を守り続けるために、変わり続け、あるいはかたくなに守り続けて生きてきた涼子のその時その時を、何も知らない周りの数人が、ほんとうに何気なく、あるいは、なにがしかの疑問を抱いて思い出し、それをすべてつなげてみたときに見えてくるものがあるのである。涼子の人生は幸福だったのだろうか、と思わずにはいられない一冊である。

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