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青天の霹靂*劇団ひとり

  • 2020/05/14(木) 18:53:32


学歴もなければ、金もなく、恋人もいない三十五歳の晴夫。一流マジシャンを目指したはずが、十七年間場末のマジックバーから抜け出すことができない。そんなある日、テレビ番組のオーディションではじめて将来への希望を抱く。だが、警察からの思いもかけない電話で、晴夫の運命が、突如、大きく舵を切る―。人生の奇跡を瑞々しく描く長編小説。


負け続きでいいことなどなにもないと、拗ねた気持ちで日々を過ごしている35歳の売れないマジシャン・轟晴夫の物語である。これから自分が勝ち組になれる可能性など無きに等しいと、わが身に起こる負の要素に言い訳ばかり繰り返してきた。そんなとき、警察から電話があり、久々に、捨ててきた父親に思いを馳せる。そこからがこの物語のクライマックスである。荒唐無稽な設定ではあるが、思わず惹き込まれ、晴夫の気持ちに寄り添って一緒に感動してしまった。いい話だった、と思わせてくれる一冊である。

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