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ぷくぷく*森沢明夫

  • 2020/06/02(火) 16:17:08


都会でひとり暮らしをしている恋に臆病なイズミ。臆病なのは、誰にも明かしていない心と身体の傷があったから。そんな彼女をいつも見つめているボク。言葉を交わしたことはないが、イズミへの思いは誰よりも強い。もどかしい関係の「ふたり」の間に、新たな男性の存在が。果たしてイズミの凍った心を溶かす恋は始まるのか…。最高のハートウォーミング小説!


タイトルだけ見ると、畠中恵氏の一太郎シリーズのようだが、さにあらず。その意味は、読み始めるとほどなくわかり、きゅんとさせられる。主人公は「ユキちゃん」、舞台は「イズミ」の部屋と、出窓の四角く切り取られた外。とても狭い範囲で、登場人物もものすごく限られているのだが、果てしない広がりを感じられる。狭くて寂しくて切ないが、広々と開けてやわらかく、あかるくあたたかく、希望に満ちた一冊である。

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