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のご挨拶*小路幸也

  • 2020/06/29(月) 16:45:08


港町を見下ろす高台にある高級料亭旅館“銀の鰊亭”。一年前の火事で当主とその妻は焼死。二人を助けようと燃え盛る炎の中に飛び込んだ娘の文は怪我を負い、記憶を失った。ところが、その火事の現場には身元不明の焼死体もあった―。あの火事は“事故”なのか“事件”なのか?文の甥・光は刑事の磯貝とその真相を追うことになるのだが…。


歴史ある高級料亭旅館<銀の鰊亭>の知る人ぞ知る謎と、それにまつわる人たちの物語。もしもそれが事実だったとしたら、ものすごく大変なことなのだが、表向きのことしか知らされていない世間の人々にとっては、穏やかな日常が流れているのだろう。だが、コアなところでは、疑惑や思惑や駆け引きが繰り広げられ、まるで、川に浮かぶ水鳥の足掻きのようである。本当のところはどうだったのかは、永遠の謎だが、誰も不幸にしないところに落ち着いたのだろうと思う。仁さんのことは、残念だったが。文さんの記憶が戻ったらどうなるのか、ちょっぴり気になる一冊でもある。

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