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女帝小池百合子*石井妙子

  • 2020/09/12(土) 16:52:43


コロナに脅かされる首都・東京の命運を担う政治家・小池百合子。
女性初の都知事であり、次の総理候補との呼び声も高い。

しかし、われわれは、彼女のことをどれだけ知っているのだろうか。

「芦屋令嬢」育ち、謎多きカイロ時代、キャスターから政治の道へーー
常に「風」を巻き起こしながら、権力の頂点を目指す彼女。
今まで明かされることのなかったその数奇な半生を、
三年半の歳月を費やした綿密な取材のもと描き切る。


良きにつけ悪しきにつけ、小池百合子という人はが、人びとの興味を引く人物であることは間違いないのだろう。本書は、彼女の真実を暴くことを主眼としているので、間違っても褒め称えたりすることはない、とは理解しつつ、それでも、本書を読み、ひとりの人間の裏側を覗くという行為には、ある種の背徳感が伴う。自ら手を伸ばしてページを繰りながら、何となく後ろめたい心地にもなるのである。だが、内容には思い当たることも多く、丁寧に取材はされているのだろうとは思わされる。カイロ大学の対応や、そうそうたる政治家のみなさんの対応等、腑に落ちず疑問が残ることも多々あるが、だれしも、全面的に信じることはできないのだということは、肝に銘じなければならないということかもしれない。これからの小池百合子を見ていたいと思わせる一冊ではあった。

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