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ふたり狂い*真梨幸子

  • 2020/10/07(水) 18:37:29


「自分のことが書かれてる」小説の主人公と同姓同名の男が妄想に囚われ、作家を刺した。それに端を発し起こるデパ地下総菜売場異物混入騒ぎ、企業中傷ネット祭り、郊外マンション連続殺人。事件の陰には意外な“ふたり"の存在が。クレーマー、ストーカー、ヒステリー。私は違うと信じる人を震撼させる、一瞬で狂気に転じた人々の「あるある」ミステリ。


ひとつひとつの物語も、それだけで完結していて、充分不気味で背筋がぞくっとする心地を味わえるのだが、それが、ゆるく繋がり、全体としてひとつの流れの物語としても読めるので、さらに恐ろしさは何倍にも増している。しかも、その恐ろしさは、普通の考え方では御しがたく、一筋縄ではいかない種類のものなので、なんとも言えない不協和音が絶えず響いているような気持の悪さに支配されてしまうのである。なんとも後味の悪い(もちろん誉め言葉である)一冊だった。

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