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縄紋*真梨幸子

  • 2020/10/13(火) 16:07:47


フリーの校正者・興梠に届いた自費出版小説『縄紋黙示録』の校正紙。それは“縄「紋」時代”に関する記述から始まる不可思議なものだった。読み進めていくうち、貝塚で発見された人骨など、現在にも繋がる共通点が幾つも現れて…。この著者の正体は誰?『縄紋黙示録』に隠されているメッセージとは。やがて興梠たちの身辺でも異変が起こり始め―。多くの文豪たちが暮らし、今も有名学校が犇めく東京・文京区を舞台に、過去と現代、そして未来が絡み合う驚天動地の大長編。


夫を殺してゴミ置き場に埋め、娘の頭を鍋で煮込んだ殺人犯・五十部靖子(筆名:黒澤セイ)が書いた小説の校正を、興梠が引き受けたところからこの物語は始まる。だが、実は、そのはるか昔に、物語はとっくに始まっていて、あらゆるものが巻きこまれながら、どこまでも延々と繋がっていく印象である。夢か現かも判然とせず、正気なのか狂気なのか、実際に目で見たものなのか幻影なのかも曖昧で、読み進めるごとに頭の中がぐるぐる回るような心地にさせられる。いますぐ先を知りたいような、ある一線から先へ進んではいけないような、恐ろしさも内包している。いま自分が目にしているのが、縄文時代なのか、現在なのか、はたまた遠い未来なのか、読めば読むほど謎が深まり、絡めとられるような一冊だった。

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