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セカンドライフ*新津きよみ

  • 2021/02/13(土) 16:49:49


二十三年前に殺された父。母が殺人依頼したのかも…(「見知らぬ乗客」)。熟年離婚で手に入れたこの自由は手放したくない(「セカンドライフ」)。老後と呼ぶには若すぎる、寿命が延びた現代社会において第二の人生をどう生きるかは男も女も切実だ。そんなとき邪魔になるのは長年連れ添ったあの人―。定年世代の来し方行く末を七つの人生の情景で綴る、毒あり華あり上質のミステリー短篇集。


表題作のほか、「見知らぬ乗客」 「演じる人」 「誤算」 「三十一文字(みそひともじ)」 「雲の上の人」 「定年つながり」

人生百年時代、定年後のまだまだ長い人生をどのように過ごすか、それはひと昔前よりも切実な問題なのかもしれない。その時に、どんな行動を起こすのか。違う場所、違う立場の人たちの第二の人生をのぞき見するような物語と言えるのかもしれない。ブラックなテイストのものが多い気がするのは、夫と妻の思いの差、とも言えるのかもしれない。粒よりの一冊である。

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