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フシギ*真梨幸子

  • 2021/02/21(日) 18:31:48


作家の私のもとに、死んだはずの担当編集者から不思議なメールが届いた。
意識不明の時に三人の女が“お迎え”に来たというもので、一人目と二人目は亡くなった親族、三人目は誰だか分からないという。
その後、「とんでもない正体が分かった」「三人目の女が、先生のところに現れませんように」という言葉を残して連絡は途切れ……。
三人目の女とは誰なのか? 連続する不審死は、その女が関わっているのか?
とてつもない絶望と衝撃に襲われるラストまでページを捲る手が止まらない、精緻にして大胆な長編ミステリ!


タイトル通り不思議な物語である。時間も空間も何重にも入れ子になっていて、いまここに立っていたと思ったら、いつの間にかまったく別の人物になって、まったく別の時空にいることに気づくような、狐に化かされたような心地に何度もさせられる。不思議極まりない出来事が、この入れ子構造に閉じ込められることによって、さらに不思議さが倍加され、眩暈がしてきそうになる。怖さと不思議さに惑わされながら一気に読み終えた一冊である。

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