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告白*町田康
- 2005/04/25(月) 20:36:16
☆☆☆・・
人はなぜ人を殺すのか
河内音頭のスタンダードナンバー<河内十人斬り>をモチーフに、
町田康が永遠のテーマに迫る渾身の長編小説!
(帯より)
676ページの大作である。
評判もずいぶんいいらしい。
でも、わたしはあまりのめり込めなかった。
主人公である熊太郎は極度に思弁的なその性癖ゆえに、子どもの頃から 心の奥で考えていることをそのまま言い表す言葉を持たずに育つ。よって、周囲の評価と自らの胸の裡とのギャップに悩み、それによって更に、物事を不必要に歪めて先読みするようになり、かえって何事も上手く行かぬようになる。
熊太郎の思弁性は 極端なものかもしれないが、多かれ少なかれ誰にでもある要素ではないだろうか、と思うとき、全面的に熊太郎に肩入れする気持ちにはなれないのである。ある場面では共感し同情的にもなるのだが。
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「告白」町田康
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町田康【告白】
すごく面白いとは思うが、人によって好き嫌いが分かれるだろうな。というか、この小説を思いっきりの笑顔で「だ~いすき♪」と言える人は、かなり少ないかも。主人公の「熊太郎」に対しては、なんかもう……感情
- From: ぱんどら日記 |
- 2006/11/21(火) 13:11:25
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この記事に対するコメント
トラバありがとうございました!なぜかこの記事にだけまたトラバがエラーになってしまう…。ごめんなさい(涙)。他のはできるのにぃ~!!
「多かれ少なかれ誰にでもある」というのは同感です。でも、それをここまで書いちゃうのか!書けちゃうのか!というところに私はとても衝撃を受けました。なんというか、目をそむけている部分なんです、私の中では…。それをこんなふうに突き詰めて、その結果こういう風になったということが、なんだか苦しくて…。うまくいえませんが!
はじめまして。つながる読書空間にも同じような感想を書かれてる方がいると思ったら同じ方だったんですね。
>多かれ少なかれ誰にでもある
近代自我や自意識に目覚めて久しく、あらゆるツールを用いて思弁の共有を図ることのできる今の時代に生きる私たちと、明治時代のしかも河内のど田舎の百姓の息子である熊太郎が私たちと変わらぬか、それ以上に複雑な思弁性を有していたとして河内十人斬りを描ききってるところは外せないポイントだと思うんですけど…まあ読み方はいろいろなので、熊太郎の思弁性が多かれ少なかれ誰にでもあるからのめりこめないのであれば、こんな別の見方もありますよということで書かせていただきました。
ナカヤマさん、つながる読書空間もみてくださりありがとうございます。
そうですね。
時代や地域性を考えると、おっしゃるとおり現代とはずいぶん事情が違うのはたしかですね。
けれど、そのことを考えに入れても、わたしは熊太郎に全面的に肩入れする気持ちにはなれなかったのでした。
河内十人斬りを描ききったという点は、まったく同感です。
だからなお、後味がよくなかったのかもしれません。
共感できるけど
肩入れできない・・その気持ちよくわかります。傍にいてjほしくない人。
でも、作品としてはオススメの一冊です。
そばにいられたら
厭ですねぇ、ほんとに。
けれど、昨今の残虐な事件を思ってみると
熊太郎のような人って意外と多いのかもしれない、とも思えてきます。
コメント&トラバありがとうございました。
あまりにもあちらこちらで評判がいいので、小心者の私は、
ちょっと恐れをなして、誰にもトラバらないでいたのですが、
同じような感想の方がいらして、良かったです。
気持ちは分かるんだけど、のめりこめませんでした。
では。
そうなんですよねぇ(><;
熊太郎に共感しすぎると
昨今ますますエスカレートしている少年事件の加害者を
擁護しかねない(かなりオーバーですけれど)気もしたりして...。
誰にでも事情はあるでしょうけれど
裡に抱えて悶々とすること行動に移してしまうこととは
もう絶対的に別のことですからね..。