fc2ブログ

教室が、ひとりになるまで*浅倉秋成

  • 2021/06/18(金) 16:44:05


本格ミステリ大賞&日本推理作家協会賞Wノミネート!新世代の青春ミステリ

北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「全員が仲のいい最高のクラス」で、なぜ――。垣内友弘は、幼馴染みの同級生・白瀬美月から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪。犯人を裁く1度きりのチャンスを得た友弘は、異質で孤独な謎解きに身を投じる。新時代の傑作青春ミステリ。


垣内の目線で描かれている。途中まで、垣内こそが怪しいのではないか、あるいは、何か関わっているのではないかと思っていたが、どうやら当たっていなかったようだ。とは言え、最後の彼の思いを聞かされると、さもありなんとすんなり腑に落ちるのである。無意識の支配、善意の束縛、独りよがりの価値観。人は、生きていく上でさまざまなものと日々戦っている。タイトルの意味が判った時、「これだ」と思った。天辺にいる一握りの人にはわからない生き辛さがひしひしと伝わってきて胸のなかがひりひりするような一冊だった。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する