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嗤う淑女二人*中山七里

  • 2021/11/04(木) 16:07:08


最恐悪女が最凶タッグ!これはテロか、怨恨か?
真相は悪女のみぞ知る――。
戦慄のダークヒロイン・ミステリー、衝撃の最新刊!

高級ホテル宴会場で17名が毒殺される事件が発生。
犠牲者の一人、国会議員・日坂浩一は〈1〉と記された紙片を握りしめていた。
防犯カメラの映像解析で、衝撃の事実が判明する。
世間を震撼させた連続猟奇殺人に関与、
医療刑務所を脱走し指名手配中の「有働さゆり」が映っていたのだ。
さらに、大型バス爆破、中学校舎放火殺人……と、新たな事件が続発!
犯行現場には必ず、謎の番号札と、有働さゆりの痕跡が残されている。
さゆりは「ある女」に指示された手段で凶行に及んでいたが、
捜査本部はそのことを知る由もなく、死者は増え続ける一方で、
犠牲者は49人を数えるのだった……。
デビュー11年目、どんでん返しの筆がますます冴える人気作家が放つダークヒロイン・ミステリー第3弾、ついに刊行!


二人の悪女の出会い方が偶然過ぎて、かえって怖い。方向性の違う悪女ではあるものの、どこかで引き合ってしまうのだろうか。そして、操る方も操られる方も、互いを全く信じておらず、最後の最後まで気を許してはいないところも恐ろしい。事件は凄惨を極め、巻きこまれた人たちや遺族は怒りの持っていき場がないだろう。だがこの二人はそんなことには一点の興味もないのである。もう理解しようとすることはあきらめたが、動機にしっかりとした理由があったことで、ほんのわずか、気持ちの落としどころが見つかった心地ではある。決して良かったということはできないが。さらには二人のラストシーンが、ショッキング過ぎて、絶対にこのままでは終わらない予感に震えるしかない。次を知りたいが知りたくない一冊である。

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