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君が護りたい人は*石持浅海

  • 2021/11/05(金) 16:42:15


周到な計画。何重もの罠。
強固な殺意を阻むのは、故意か、偶然か。
容赦なき読み――名探偵・碓氷優佳。ベストセラーシリーズ最新刊!

成富歩夏が両親を亡くして十年、後見人だった二十も年上の奥津悠斗と婚約した。高校時代から関係を迫られていたらしい。歩夏に想いを寄せる三原一輝は、奥津を殺して彼女を救い出すことを決意。三原は自らの意思を、奥津の友人で弁護士の芳野友晴に明かす。犯行の舞台は皆で行くキャンプ場。毒草、崖、焚き火、暗闇……三原は周到な罠を仕掛けていく。しかし完璧に見えた彼の計画は、ゲストとして参加した碓氷優佳によって狂い始める。見届け人を依頼された芳野の前で、二人の戦いが繰り広げられる――。


碓氷優佳、今回もさりげなく怖い。バーベキューに参加した彼女が何をしたのか、わかる人にしかわからない。わからない人にとっては、単なるメンバーの知り合いで今回だけ参加した人ということになる。それなのに、しっかり殺人を阻止してしまう。とは言え、誰も死ななかったかと言えばさにあらず。まさかそこまでタイミングを計ったとは思えないが、ぜっていにないとは言い切れないところが、敵に回したくない所以である。相変わらず、計り知れない女性である。そして、それこそが彼女の魅力でもある。ただ、今回の殺人計画者が、彼女と対決するには力不足だった気がしてしまうのは、わたしだけだろうか。ハラハラドキドキそしてほっと息をつくという目まぐるしい一冊だった。

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