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共犯者*三羽省吾

  • 2021/12/09(木) 16:25:11


デビュー20年、著者最高到達点となる、衝撃ミステリーサスペンス。

お前は、誰を守ろうとしてるんだ?

迷走する警察。暴走する世論。壊れゆく家族。
ひとつの殺人事件が、隠された過去の真相を炙り出していく。
その罪は赦されるか。愛と憎しみの衝撃サスペンスミステリー。

岐阜県の山中で顔面を激しく損壊された男性の遺体が発見された。取材に赴いた週刊誌記者の宮治は、警察が何かを隠していると疑う。隣県にはひとつ歳下の弟・夏樹が住んでいた。久々に弟の部屋に立ち寄った宮治は、その言動に不信感を抱く。弟が事件になんらか関わっているのかもしれない。報道の使命を貫くか、家族を守るか、宮治は揺れ動くが……。


家族とは何だろう。血縁であるということだけで、そうとは言えない。積み重ねてきた日々の事々のひとつひとつが、家族という共同体を築き上げていくのかもしれない。そこに、信頼や安心感が生まれ、互いを認め合い尊重し合う関係性が作られていくのだろう。とは言え、ただ血縁であるというそのことが、後の人生に大きな影響を与えることもある。難しいものである。読んでいる間も、読後も、切なさやるせなさが胸を満たす。虐待、報道の在り方など、考えさせられることも多い一冊だった。

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