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リボルバー*原田マハ

  • 2021/12/14(火) 16:24:07


誰が引き金を引いたのか?
「ゴッホの死」。アート史上最大の謎に迫る、著者渾身の傑作ミステリ。

パリ大学で美術史の修士号を取得した高遠冴(たかとおさえ)は、小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務している。週一回のオークションで扱うのは、どこかのクローゼットに眠っていた誰かにとっての「お宝」ばかり。
高額の絵画取引に携わりたいと願っていた冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれる。
それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。

「ファン・ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか? 」 「――殺されたんじゃないのか? ……あのリボルバーで、撃ち抜かれて。」
ゴッホとゴーギャン。
生前顧みられることのなかった孤高の画家たちの、真実の物語。


ゴッホとゴーギャンの物語というだけで、興味をそそられる。彼らの真の関係性とはどんなものだったのだろうか、そして、ゴッホの最期は、本当に巷で語られるとおりだったのか。ある日、パリの小さなオークション会社に持ち込まれた、錆びだらけのリボルバーから物語が始まった。物語が進むにつれ、自分自身が、ゴッホやゴーギャンとともに生き、黄金に光る麦畑や、太陽を追いかけるヒマワリの花を見、同じ空気を吸っている心地にさせられる。時に胸を焦がし、時に胸をかきむしり、焦り、恍惚とし、幸福感に包まれ、そして絶望する。心の動きの激しさに振り回されるように読み進むと、そこには驚愕の独白が待っている。人の胸の裡をはかり知ることはできないが、二人の画家が幸福だったことを祈りたくなる一冊だった。

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