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いなくなった私へ*辻堂ゆめ

  • 2021/12/24(金) 07:04:09


人気シンガソングライターの上条梨乃は、渋谷のゴミ捨て場で目を覚ました。
そこに至るまでの記憶はない。
通行人に見られて慌てるが、誰も彼女の正体に気づく様子はなく、さらに街頭に流れるニュース
――梨乃の自殺を報じたニュース――に、梨乃は呆然とした。
自殺したなんて考えられない。本当に死んだのか? それなら、ここにいる自分は何者なのか?
そんな中、大学生の優斗だけが梨乃の正体に気づいて声をかけてきた。
梨乃は優斗と行動を共にするようになり、やがてもう一人、梨乃を梨乃だと認識できる少年・樹に出会う……。
自殺の意思などなかった梨乃が、死に至った経緯。
そして生きている梨乃の顔を見ても、わずかな者を除いて、誰も彼女だと気づかないという奇妙な現象を、梨乃と優斗、樹の三人が追う。


インドの奥地のとある村で、近寄ってはいけないと言われる湖をめぐる物語と、現代日本で起きた、摩訶不思議な現象から始まる物語が、ときどき交錯しながらストーリーが進む。インドの村では、無知と恐怖によって悲惨な事件が起こり、現代日本では、身勝手さと短慮によって、多くの人を巻きこむ事件が起こっている。絶望と希望が入り交じった日々を過ごしながら、真実に迫る三人の姿は、思わず応援したくなる。ところどころ言葉遣いに気になる点はあったし、解決策が見つかったわけではないが、生きなおせるという希望の光が見える一冊だった。

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