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おはようおかえり*近藤史恵

  • 2022/04/04(月) 06:38:04


真面目な姉と自由奔放な妹。二人の姉妹に訪れる思いがけない出来事とは――

北大阪で70年続く和菓子屋「凍滝」の二人姉妹、小梅とつぐみ。姉の小梅は家業を継ぐため進学せず、毎日店に出て和菓子作りに励む働き者。 妹のつぐみは自由奔放。和菓子屋を「古臭い」と嫌い、大学で演劇にのめり込みながら、中東の国に留学したいと言って母とよく喧嘩をしている。

そんなある日、43年前に亡くなった曾祖母の魂が、何故かつぐみの身体に乗り移ってしまう。凍滝の創業者だった曾祖母は、戸惑う小梅に 「ある手紙をお父ちゃん(曾祖父)の浮気相手から取り戻してほしい」と頼んできた。

手紙の行方を辿る中で、少しずつ明らかになる曾祖母の謎や、「凍滝」創業時の想い。姉妹は出会った人々に影響されながら、自分の将来や、家族と向き合っていく。


大阪の和菓子屋とその家族の物語である。祖母は引退し、母が店を切り盛りし、父は東京に単身赴任している。長女の小梅は、保守的で真面目、妹のつぐみは、自由奔放。そんな姉妹それぞれの生き方と、突然つぐみの身体に降臨した曾祖母の秘密がリンクして、自らの出自を考えたり、家族の在り方や、生き方を考え直すようになる。ひとつの家族の物語ではあるが、それぞれが我が身に引き寄せて考えさせられる一冊でもあるように思う。

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