fc2ブログ

シェア*真梨幸子

  • 2022/05/02(月) 16:48:22


そのシェアハウスは、いわくつき物件だったーー都心の古民家シェアハウス「さくら館」。あやしい六人の女性入居者たち、床下から発見されたとんでもないもの、この家の過去にまつわる奇妙な噂・・・・・・ワケあり女たちの入り乱れる思惑に翻弄される衝撃作!


その目的のために、そんなところから取り掛かるか、という疑問はとりあえず於くとして、キラキラネームの悲劇に目をつけた人集め、というのがまず斬新で、集められた年代も絶妙であり、それだけで「さくら館」という舞台設定は整ったと言えるような気がする。ネットの世界とリアルの世界の祖語や、不動産会社の黒い思惑が絡み合い、ストーリーはどんどん悲惨な方へとなだれ込んでいく。後の取材で、さまざまな裏話が明らかになり、見えていた以上の泥沼が露呈され、おぞましさはいや増す。首謀者のあの人や、取材する側のあの人たちが残っているので、事件が終わった気が全くしない。いつかどこかで同じようなことが繰り返されそうで、ぞっとする。抜け出せない泥沼に引き込まれそうな気分の一冊だった。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する