fc2ブログ

オアシス*生田紗代

  • 2005/05/18(水) 21:21:22

☆☆☆・・




 ため息を一つつく。哀愁ってやつだ。

 家事放棄の“粗大ゴミ”=母・君枝とパラサイトされている姉、
 そして私。女三人、奇妙な家族の行方は?

                       (帯より)


本当のところはわからないが、父の単身赴任と時期を同じくして、家事を放棄し始めた母。一日中家に篭っているのに何もせず、働いている姉サキちゃんとコンビニでバイトしている妹の私・メー子に口うるさく注意だけはする。母は49歳。

駅前の駐輪場でなくなった青い自転車に付随する想いと、母と姉と暮らす家の様子が 何かの暗示のように交互に語られている。

母に面と向かって粗大ゴミといい 邪魔にする様子は身を刻まれるように胸に痛い。それでもいちばん愛しているのだろうといってはいるが、それにしても私には受け入れ難い。
22歳という著者の若さを思えば仕方がないのかもしれないとも思うのだが、49歳になったときに自分の書いたものを読んでどんな気持ちになるのだろうか、と思いやられもする。
この物語の底に流れるのは屈折した愛なのだろうとは思うのだが、哀しさばかり残ってしまった。




V
V

TB
今日何読んだ?どうだった??
そういうのがいいな、わたしは。(読書日記)





この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「オアシス」 生田 紗代

オアシスposted with 簡単リンクくん at 2005. 7.21生田 紗代河出書房新社 (2003.11)通常2??3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

  • From: 今日何読んだ?どうだった?? |
  • 2005/07/22(金) 05:39:22

オアシス

生田 紗代オアシス「オアシス」生田紗代・著河出書房新社・出版『盗まれた自転車をさがして、、』 第40回文藝賞受賞作品です。 主人公は、コンビニでバイトする御気楽フリーターの女の子最近自転車を盗まれました、母親は、家事を一切しないので

  • From: 個人的読書 |
  • 2006/08/10(木) 22:18:04

『オアシス』生田紗代 を読んで

オアシス (河出文庫)生田紗代 内容紹介 私が<出会った>青い自転車が盗まれた。 呆然自失の中、私の自転車を探す日々が始まる。 家事放棄の母と、その母にパラサイトされている姉、そして私。 女三人、奇妙な家族の行方は? 第40回文藝賞受賞作。 1981年生まれの生田紗代...

  • From: そういうのがいいな、わたしは。(読書日記) |
  • 2008/11/16(日) 22:55:18

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する