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ビブリア古書堂の事件手帖 Ⅲ ~扉子と虚ろな夢~*三上延

  • 2022/07/08(金) 07:22:31


物語は母から娘へ――。ビブリア古書堂の事件手帖、新シリーズ第3弾!

春の霧雨が音もなく降り注ぐ北鎌倉。古書に纏わる特別な相談を請け負うビブリアに、新たな依頼人の姿があった。
ある古書店の跡取り息子の死により遺された約千冊の蔵書。高校生になる少年が相続するはずだった形見の本を、古書店の主でもある彼の祖父は、あろうことか全て売り払おうとしているという。
なぜ――不可解さを抱えながら、ビブリアも出店する即売会場で説得を試みる店主たち。そして、偶然依頼を耳にした店主の娘も、静かに謎へと近づいていく――。
+++
プロローグ・五日前
初日・映画パンフレット『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』
間章一・五日前
二日目・樋口一葉『通俗書簡文』
間章二・半年前
最終日・夢野久作『ドグラ・マグラ』
エピローグ・一ヶ月後



謎解きの主役は、扉子に移り変わりつつ、肝心なところは栞子さんがきちんと締めているところが、ほほえましくもある。少しずつ世代交代が進んでいくのだろう。今回は、依頼人の家族の在りようの物語だったが、それだけではなく、篠川家のこれからの物語でもあるような気がする。栞子の母の智恵子の存在が、どうにも計り知れなくて、次は恭一郎に何を吹き込み、大輔にどう働きかけるのかが気になって仕方がない。平和なときが来ることを祈りながら、次を待ちたいシリーズである。

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